中小企業が求人する時に考える事:名古屋

新しい人を採りたい――その時こそ、求人票を単独で作るのではなく、自社の雇用形態・給与・手当・評価の“今”を総点検するタイミングです。欲しい人材が「この条件なら働きたい」と思える設計にアップデートできているか。既存社員に対しても公平に適用できているか。ここを整えた上で、日本人と同じ基準を外国籍人材にも適用することが、採用と定着のカギになります。
目次
なぜ「求人票の前に雇用設計」なのか
- 採用競争は条件の明確さで決まる:給与や手当の根拠、評価の見える化が欠けると、応募数・マッチ度・定着に跳ね返ります。
- 既存社員との整合が採用ブランド:社内運用と外部提示が一致していないと不信感につながります。
- 外国籍人材の活躍は“同じ基準”から:安い都合の良い労働力ではありません。同じ仕事に同じ説明・同じ運用が前提です。
ステップ1:現状棚卸し(給与・交通費・手当・雇用形態)
1) 給与と手当の定義を明確に
- 基本給の決め方(職種×等級×難易度)
- 交通費の上限・算定方法
- 各種手当(役職・職務・資格・住宅・通勤・皆勤など)の支給条件・対象範囲・金額
- 割増賃金(残業・深夜・休日)の算定方法と承認フロー
2) 既存社員への適用状況を点検
- ルール通りに支給されているか
- 例外運用が常態化していないか
- 記載と実態にズレがないか(求人票・就業規則・給与明細の突合)
ここでズレが見つかったら必ず修正し、修正方針を社内説明。これが採用力の土台になります。
ステップ2:給与・評価の基準づくり(社内全体視点)
1) 等級・職務の設計
- 職種ごとに「期待役割」「裁量」「難易度」のレベル定義
- 等級ごとの**到達目標(スキル・行動)**を文章化
2) 評価基準はシンプル&透明に
- 成果(数値)と行動(プロセス)の配点
- 評価サイクル(年1回 or 半期)と昇給・賞与への連動方法
- 評価シートのサンプルを全員に共有
3) 年齢・勤続・職歴の扱いを明文化
- 年齢・勤続年数をどの程度考慮するか
- 中途の職歴・スキルの換算ルール(何をもって同等とみなすか)
ステップ3:同じ基準を外国籍人材にも適用する
- 同一労働同一賃金の発想:同じ役割・責任・難易度なら同じ給与レンジを提示。
- ルールは多言語の要約1枚にして配布(給与内訳・割増の例・休暇の取り方)。
- 入社後は評価と成長の道筋を見せる(1か月/3か月/6か月の目標)。
- 日常運用は定期1on1+フィードバックで“何を頑張れば上がるか”を常に共有。
早かれ遅かれ、こうした基準で雇用しない会社は続きません。今こそ変える好機です。
求人票に落とし込む:テンプレ(コピペOK)
募集職種:〇〇職(等級A〜C)
業務内容:主要タスク/使用ツール/担当範囲
給与レンジ:月給〇〇円〜〇〇円(等級A:〇〇円、B:〇〇円、C:〇〇円)
手当・割増:役職・資格・通勤・住宅/残業・深夜・休日の算定方法
評価・昇給:半期評価、配点(成果:◯、行動:◯)、昇給平均◯%(実績値)
勤務時間・休日:所定、休憩、残業承認フロー、休日体系
試用期間:期間・目的・合否基準の要約
成長支援:入社後1か月/3か月/6か月の育成プラン
応募要件:必須・歓迎スキル、言語要件(業務日本語レベルなど)
選考フロー:書類→面接→トライアル(任意)→内定
備考:就業ルール要約1枚を面接時に提示します
今日からできるチェックリスト
- [ ]給与テーブルと手当定義を1ページに要約
- [ ]割増賃金のサンプル計算書を作成(日本語+必要に応じ多言語)
- [ ]評価シートの配点と締切を全員に告知
- [ ]既存社員の支給状況をスポット監査
- [ ]求人票に評価・成長プランを明記
- [ ]外国籍人材にも同じ基準・同じ説明で運用
まとめ
- 新規採用の前に、雇用設計の総点検を。
- 給与・手当・評価は明確でわかりやすく、既存社員に正しく適用。
- その上で、日本人と同じ基準を外国籍人材にも適用。評価とコミュニケーションを丁寧に積み重ねれば、採用力と業績に直結します。
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株式会社オーティル


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