介護現場の人手不足を突破する実務ガイド|外国人介護人材の制度比較・費用・助成金・定着策【2025年版】

介護現場の人手不足は深刻化の一途。外国人材の導入に関心はあっても、制度が複雑・費用が不安・定着に自信がない――そんな理由で足踏みしていませんか?
本記事は、経営者・人事ご担当者の疑問を実務視点で丸ごと解消。主要4制度の選び方、費用構造と助成金の考え方、離職を最小化する定着支援まで、成功に必要な要点を1本に凝縮しました。
※法令・運用は更新が続きます。具体の申請・条項は最新の出入国在留管理庁/厚生労働省/各分野試験団体の公表情報をご確認ください。
目次
目次
- 介護現場の人手不足、外国人材は本当に「最後の砦」か?
- 【最新版】外国人介護人材の主要4制度を徹底比較!自社に最適なのは?
2-1. 特定技能「介護」:即戦力と長期就労の可能性
2-2. 技能実習「介護」:育成を通じた人材確保(新制度移行の見込みあり)
2-3. 在留資格「介護」:専門性と明確なキャリアパス
2-4. EPA(経済連携協定):国主導の枠組みと合格者の定着力
2-5. 4制度の比較表/選定フレーム - 外国人介護人材の費用と助成金・補助金の考え方
- 採用から定着までを成功に導く5ステップ
- 「投資の失敗」を避ける:離職原因と有効な対策
- まとめ/次アクション(無料テンプレ進呈)
1. 介護現場の人手不足、外国人材は本当に「最後の砦」か?
夜勤・休日の穴埋めが限界、受け入れ停止や縮小に追い込まれる施設も。将来推計でも介護人材不足は拡大が見込まれ、国内人材のみでの解決は困難です。
外国人材は“最後の砦”ではなく、早期から並走させる中核戦略。計画的に始めた施設ほど、教育投資=定着・戦力化の好循環を作れます。
2. 【最新版】外国人介護人材の主要4制度を徹底比較!自社に最適なのは?
2-1. 特定技能「介護」:即戦力と長期就労の可能性
- 概要:分野試験+日本語(目安N4相当以上)合格者が就労。現場即戦力を前提。
- 期間:特定技能1号は通算最長5年。要件充足で2号移行により長期就労・家族帯同も視野。
- メリット:即戦力/夜勤戦力化が早い/シフト安定。
- 留意:支援計画の実装(生活・相談・学習)が法的義務。試験合格者の確保は競争。
2-2. 技能実習「介護」:育成を通じた人材確保(新制度移行の見込みあり)
- 概要:本来は技能移転目的。介護分野でも活用。監理団体が関与。
- 期間:最長5年(段階制)。
- メリット:計画的な育成で自施設のやり方に馴染む。
- 留意:制度見直しが進行。将来的に「育成就労制度」への移行方針が示されており、転籍や保護の考えが拡充予定。設計は最新情報前提で。
2-3. 在留資格「介護」:専門性と明確なキャリアパス
- 概要:**介護福祉士(国家資格)**に基づく在留。
- 期間:更新継続で長期安定・永住への道も。
- メリット:専門性・リーダー層の中核化、利用者満足・加算対応にも寄与。
- 留意:輩出母数に限り。採用競争が激しく条件提示の透明性が肝。
2-4. EPA(経済連携協定):国主導の枠組みと合格者の定着力
- 概要:政府間協定(例:フィリピン/インドネシア/ベトナム等)に基づく候補者受け入れ→国家試験合格を目指す。
- メリット:公的支援の枠組みがあり、候補者の学習意欲が高い。合格後は長期就労が見込める。
- 留意:合格前の戦力化に時間。受け入れ枠・時期が限定的。
2-5. 4制度の比較表/選定フレーム
観点 | 特定技能 | 技能実習(※移行見込み) | 在留資格「介護」 | EPA |
---|---|---|---|---|
主目的 | 即戦力就労 | 育成・技能移転 | 専門職(国家資格) | 候補者育成→国家試験 |
戦力化まで | 早い | 中 | 早い | 中〜やや長 |
最長就労 | 1号5年/2号で長期 | 最長5年 | 長期更新可 | 合格後は長期可 |
支援義務 | あり(生活・相談等) | 監理団体関与 | 企業の通常労務 | 公的枠組みあり |
採用難度 | 中(試験合格者争奪) | 低〜中 | 高 | 中 |
向き不向き | 夜勤含む即戦力 | 育成ベース | 中核・リーダー層 | 学習意欲重視の長期層 |
選定フレーム
- 充足の速度:いつまでに何名・どのシフトを埋めるか
- 職務レベル:即戦力/育成/専門性(リーダー)
- 教育資源:日本語・技術教育を自社or外部で抱えられるか
- 在留の見通し:5年以内補充か、長期の柱か
→ 上記4軸で**2制度以上の“ポートフォリオ運用”**が実務的に最も安定します。
3. 外国人介護人材の費用と助成金・補助金の考え方
費用の全体像(例:構造で把握)
- 初期費用:募集・紹介料/現地選考・渡航関連/住居初期(敷礼・家具家電)/手続・翻訳/研修立ち上げ
- 月額費用:賃金(基本給・各手当・割増)/社会保険事業主負担/寮費補助/通勤・通信/登録支援機関の月額(委託時)
- スポット費:在留更新・転籍手続き/資格取得・外部研修/トラブル初動費
具体の数字は地域・雇用形態で変動。見積りは**総支給と手取りの両面/事業主負担の社会保険を含めた“人件コスト実額”**で比較しましょう。
助成金・補助金の考え方
- 国の助成金:人材育成(日本語・OJT等)や雇入れ支援系を用途に応じて活用。
- 自治体の補助金:住居整備、日本語教育、国際人材受入れ促進など地域独自枠が有効。
- 獲得のコツ:公募タイミング・要件に合う**研修計画・成果指標(修了・資格取得)**を事前設計。
- 実務:助成金は申請書類・期日・実績管理が成否を分けます。自社or社労士・専門家の体制を。
4. 採用から定着までを成功に導く5ステップ
ステップ1:採用計画の立案と制度選定
- 充足数・配置(早/遅/夜勤)・言語要件・戦力化時期を数値化
- 4制度をポートフォリオで組み、短期と中長期を並走
ステップ2:求人募集と選考のポイント
- 職務範囲・業務割合・夜勤解禁時期を明記
- 総支給→控除→想定手取りの早見表(和英)を提示
- 面接は現場管理者+通訳同席で、シミュレーション質問を実施
ステップ3:入国・在留資格申請と受け入れ準備
- 最新様式・更新履歴を都度確認/差し戻しゼロの運用
- 住居・備品・通勤・連絡網・相談窓口を入社前に可視化
ステップ4:入社後の日本語教育・文化理解促進
- 90日オンボーディング(業務・安全・記録・接遇)
- 就業時間内の学習枠(日本語×業務日本語)を週○時間
- メンター(日本人・外国人各1名)が週1対話
ステップ5:離職を防ぐ定着支援とキャリアパスの提示
- 評価・昇給・役割のロードマップを可視化
- 資格取得(介護福祉士)への学習支援・費用補助
- 家族帯同・住居更新・金融・医療など生活面の案内
5. 「投資の失敗」を避ける:離職原因と有効な対策
主な離職理由(ありがちな3つ)
- 条件ギャップ:手取り・シフト・割増の誤解
- 孤立・相談不全:言語・文化摩擦、夜勤孤立
- 将来像の不透明:定着後の賃金・役割・在留の見通し
定着率を高める3つの支援策
- 契約透明化:和英(+必要言語)で契約読み合わせ/想定手取り表/夜勤・割増の事例記載
- 生活×言語の二重支援:就業内学習枠・多言語相談窓口・24/7緊急連絡・メンター制度
- キャリア見える化:半年ごとの評価レビュー/資格学習の計画表/2号・介護ビザへの道筋提示
チェックリスト(保存版)
- 契約・支援計画は最新版様式/数字は求人票と完全一致
- 別紙:シフト例・想定手取り・寮規程・相談窓口
- 90日オンボーディング/週1メンタリング/月次レビュー
- 半年ごとの昇給・役割の打診/資格学習の進捗会議
6. まとめ/次アクション(無料テンプレ進呈)
- 外国人介護人材は“最後の手段”ではなく、中核の採用戦略。
- 制度はポートフォリオ運用、費用は構造で把握、定着は透明化×伴走が鍵。
- まずは**「いつまでに・何名・どのシフト」**を数値化し、逆算で制度設計を。
株式会社オーティル


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