特定技能の資格取得時に必要な「特定技能評価試験」は何?

「特定技能」で就労するには、分野ごとの技能試験(評価試験)と、原則として日本語能力の要件(JFT-BasicまたはJLPT N4相当など)を満たす必要があります。本記事では、2025年時点の公式情報を踏まえ、試験の全体像・申込方法・よくあるつまずきまでを実務目線で整理します。


目次

1. まず押さえる:評価試験の全体像

  • 特定技能1号(SSW(i)):分野ごとの技能評価試験日本語要件を満たせば申請要件の一部を充足。
  • 特定技能2号(SSW(ii)):より熟練レベルの業務を想定。分野別の2号評価試験に合格することが基本。
  • 試験の実施主体は分野ごとに異なる(例:製造、外食、宿泊、建設など)。試験日程や受験地は毎月のように更新されます。

※ 試験に合格しても、在留資格の許可が自動で保証されるわけではありません。雇用契約や受入体制など、在留審査で求められる他要件の充足が別途必要です。


2. 対象分野と2号の取り扱い(要点)

  • 特定技能1号16分野で運用(介護、宿泊、外食、飲食料品製造、建設、製造関連ほか)。
  • 特定技能2号は対象分野が拡大済。長期就労や家族帯同が視野に入るケースもあり、分野別の最新要領を必ず確認しましょう。
  • 一部分野(例:介護など)は現時点で2号の対象外の取扱いが残るため注意。

※ 詳細な分野リストや2号の可否は公式サイトで最新を確認してください(制度改正が続いています)。


3. 試験の種類と内容(例)

評価試験はおおむね学科(知識)実技(技能)で構成され、CBT(コンピュータ試験)や実技課題を組み合わせます。以下は代表例です。

分野試験の例ポイント
製造(素形材・産機・電機電子など)分野別の1号評価試験(国内/海外で定期的に実施)日程が年に複数期設定。試験地はアジア各国+日本で展開。
飲食料品製造・外食分野別評価試験(1号/2号)。
外食は衛生・接客、飲食料品製造は衛生・製造工程などを出題。
業界団体が運営。2号試験の実施や周知も進んでいます。
宿泊1号/2号評価試験(学科+実技)宿泊2号は監督・指導レベルが想定。CBT中心で海外会場も拡大。
建設分野・職種ごとの評価試験(学科+実技)申込~受験の手順がアプリ/ポータル化。最新の開催案内を要確認。

※ 出題範囲・出題数・試験時間は分野別の実施要領で確認してください。例:宿泊2号は学科50問+実技20問・60分など、詳細が公表されています。


4. 受験までの流れ(共通イメージ)

  1. 公式サイトで告知確認:分野別の試験センター/SSWサポートサイトの「試験情報」をチェック。
  2. 受験者アカウント作成:試験運営(例:Prometric等)のIDを作成し、本人確認情報を登録。
  3. 会場・日時を予約:国内/海外会場の空き枠から選択。予約~受験~合否公表までのスケジュールを控える。
  4. 準備:身分証、受験票(QR/予約ID)、ドレスコードや持ち物(電卓等の可否)を各分野の受験要領で確認。
  5. 受験・合否確認:合否はセンターのサイトやマイページで公表。合格証明の保管を忘れずに。

5. 日本語要件の整理

  • SSW(i)では、JFT-BasicJLPT N4相当などの日本語能力を満たすことが原則。
  • 試験の実施言語は分野・国により複数用意されることがありますが、在留申請の日本語要件とは別の論点です。要件の取り違えに注意。

6. よくある質問(FAQ)

Q1. 合格すればすぐに在留資格がもらえますか?

A. いいえ。合格は必要条件の一部です。雇用契約・処遇(同等以上)・支援体制・提出書類など、在留審査で求められる他要件を満たすことが必要です。

Q2. 合格の有効期限は?再受験は?

A. 有効期限や再受験の可否は分野・実施団体により取扱いが異なります。各分野の実施要領を参照してください。

Q3. 海外でも受験できますか?

A. 多くの分野で海外会場が設定されています。国・都市・日程は月次で更新されるため、直近の開催一覧を確認してください。


7. 企業側の実務ポイント(つまずきを防ぐ)

  • 職務記述書(JD)と試験分野の整合:応募者の試験分野と現場の業務範囲がズレないよう、付随業務の範囲まで文書化。
  • 契約の具体性基本給・手当の内訳・控除・想定手取り労働時間/シフト/休日/割増率を契約本文または別紙で明記。
  • 最新情報の確認:分野別の運用要領・評価試験の告知は頻繁に更新。申請前に必ず再確認。

8. まとめ

「特定技能評価試験」は、分野別に要件や運用が異なる点が最大の注意点です。まずは公式サイトで最新の試験日程と実施要領を確認し、日本語要件・雇用契約書の具体化までセットで準備しましょう。分野選定や在留申請の設計に迷ったら、早めに専門家や支援機関へご相談を。

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