自動車整備工を特定技能で採用する場合の条件

〜企業が押さえるべき資格・作業範囲・注意点を徹底解説〜**

自動車整備業界は深刻な人手不足が続いており、
近年「特定技能(自動車整備分野)」を活用して外国人材を採用するケースが増えています。

しかし、自動車整備分野は他分野に比べて
試験要件が厳しい・業務範囲が明確に決まっている・技能実習から移行できる職種が限定される
という特徴があります。

この記事では、
企業が特定技能で自動車整備工を採用するための条件をわかりやすくまとめます。


1. 特定技能「自動車整備分野」で採用できる業務範囲

特定技能で従事できる業務は、
「自動車整備士の業務のうち国が定めた範囲」 に限られます。

✔ 対象となる作業

  • 自動車の点検・整備
  • 分解整備(ブレーキ、ステアリング、エンジンなど)
  • 車検整備
  • 故障診断
  • 分解・組み立て作業
  • サービスメカニック業務

✖ 対象外となる作業

以下は特定技能の自動車整備分野には該当しないため、採用不可です。

  • 板金塗装(ボディリペア)
  • 事故車修理
  • 外装修理・塗装作業
  • カスタム・ドレスアップ
  • 洗車・コーティング作業のみ

板金塗装は特定技能の対象外 なので、技能実習「板金塗装」からの移行も不可。


2. 特定技能で採用できる外国人の条件

特定技能(自動車整備)には、
以下 どちらかのルート を満たす必要があります。


目次

① 技能実習(自動車整備)を2号まで修了した者(試験免除)

  • 技能実習作業名:「自動車整備」
  • 第2号技能実習修了で特定技能へ移行可能
  • 実務経験を積んでいるため、現場で即戦力になりやすい

ポイント:
技能実習「自動車整備」と「板金塗装」は別分野。
→ 板金塗装は移行不可。


② 日本国内または海外で特定技能評価試験に合格した者

必要試験は2つ:

  1. 特定技能1号測定試験(自動車整備分野)
  2. 日本語基礎テスト(JFT-Basic)またはN4以上

※海外(フィリピン・ベトナム等)でも実施国が増加中。


3. 採用する企業側の条件(受入れ要件)

特定技能外国人を受け入れるには、企業にも義務があります。


① 適切な整備工場であること

  • 認証工場(分解整備の認証)
  • 指定工場(車検ラインのある工場)はさらに望ましい

② 労働条件が日本人と同等以上であること

  • 給与
  • 休日・休憩
  • 社会保険加入
  • 労働時間

最低賃金ギリギリでは認められない場合があります。


③ 特定技能外国人に対する支援体制の確保

支援は以下のいずれかで行う必要があります:

  • 自社が支援を全部実施
  • 登録支援機関に委託

支援項目例:

  • 住居確保の補助
  • 生活オリエンテーション
  • 相談対応
  • 日本語学習支援
  • 転職支援(当該企業の責任で必要時)

4. 実務で気をつけるポイント(トラブル防止)


① 作業内容が特定技能の範囲内であるか確認必須

「油外作業(オイル交換・タイヤ交換)」だけでは不可。
必ず 自動車整備士の業務 が中心でなければならない。


② 配置予定の工場に外国人が整備できる環境があるか

  • 認証工場であること
  • 指導担当者を置けること
  • 危険作業の安全管理が行えること

③ 板金塗装部門で働かせてはいけない

多くの工場で
「塗装もやらせたい」と希望されるが → 完全にNG


④ 外国人がやる業務と求人票が一致しているか確認

求人票の不一致は在留不許可につながります。


5. 採用までの流れ(簡易フロー)

  1. 求人内容の整理(作業範囲を特定技能基準に合わせる)
  2. 候補者の資格確認(技能実習修了 or 特定技能試験合格)
  3. 雇用契約書の作成
  4. 支援計画書の作成
  5. 在留資格変更申請
  6. 入社・支援実施開始

まとめ:特定技能で自動車整備工を採用するには“分野理解”が最重要

自動車整備分野は分野の扱いが明確で、
以下を間違えると 申請不許可 になりやすい分野です。


✔ 整備業務が中心であること

✔ 板金塗装は対象外

✔ 技能実習「自動車整備」修了者は移行可

✔ 特定技能試験合格者も採用可能

✔ 企業側の受け入れ体制が整っていること

目次