便利な特定技能 申請書類チェックリスト

特定技能の外国人を採用する際、最も時間と労力がかかるのが「申請書類の準備」です。
提出書類が1枚でも不備だと、入管から差し戻しされ、数週間の遅延につながることもあります。
この記事では、人事・受入企業の担当者が「完璧な申請」を実現するために押さえておくべきポイントを、チェックリスト形式で分かりやすくまとめました。
初めて申請を行う方も、再申請でミスを減らしたい方も、ぜひ参考にしてください。
目次
目次
- 特定技能申請書類とは?|基本構成を理解する
- 書類不備が起きやすいポイント
- 完璧な書類をつくるチェックリスト(企業・支援機関・本人別)
- 添付資料・裏付けデータの整合性を確認
- 提出時の最終確認項目
- 不備ゼロで提出するコツと注意点
- まとめ:申請精度は“企業の信頼力”につながる
1. 特定技能申請書類とは?|基本構成を理解する
特定技能の在留資格申請では、以下の3つの主体がそれぞれ書類を準備します。
区分 | 主な提出者 | 書類例 |
---|---|---|
① 受入企業 | 採用企業 | 雇用契約書、会社概要、誓約書、支援計画書 など |
② 支援機関 | 登録支援機関 | 支援委託契約書、支援実施体制一覧表 など |
③ 本人 | 外国人労働者 | パスポート、在留カード、試験合格証明、履歴書 など |
特に介護・製造・外食業など、業種ごとに様式や添付書類が異なるため、
最新の入管フォーマットを必ず確認 しましょう。
2. 書類不備が起きやすいポイント
申請が遅れる原因の多くは、次のような初歩的ミスです。
- 契約書の署名・押印が漏れている(特にAnnex Bの各ページ署名)
- 雇用契約書と支援計画書の勤務時間が不一致
- 残業・休日労働の割増計算根拠が明記されていない
- MWO(フィリピン労働局)書類と入管書類の整合が取れていない
- 日本語訳が不完全または省略されている
これらは、「事務的な確認不足」で防げるミスばかりです。
3. 完璧な書類をつくるチェックリスト(企業・支援機関・本人別)
■ 企業側チェックリスト
- 雇用契約書(Annex B)に全ページ署名あり
- 勤務時間・休日・残業時間の根拠明示(例:月173時間=8h×21.6日)
- 労働条件通知書・賃金台帳・36協定の整合確認
- 社会保険・雇用保険の加入証明添付
- 住居提供の場合:契約書・間取り・家賃明細を添付
■ 登録支援機関チェックリスト
- 支援委託契約書に署名・捺印済
- 支援計画書の実施内容が契約内容と一致
- 月次面談・生活支援・相談対応の体制表を添付
- 支援責任者・担当者の氏名・連絡先を明記
■ 外国人本人チェックリスト
- パスポート有効期限が申請期間をカバー
- 試験合格証明書(技能+日本語)原本スキャン添付
- 顔写真(3cm×4cm)最新・背景白
- 母国住所・日本住所を明確に記入
4. 添付資料・裏付けデータの整合性を確認
入管は「数字の整合性」を厳密にチェックします。
たとえば、雇用契約書の「基本給」・支援計画書の「給与」・MWO申請書類の「給与欄」が一致していないと、即差し戻しです。
整合チェック例:
項目 | 書類A | 書類B | 一致確認 |
---|---|---|---|
基本給 | 170,000円 | 170,000円 | ✅ |
残業単価 | 1,400円 | 1,400円 | ✅ |
勤務時間 | 173時間 | 173時間 | ✅ |
5. 提出時の最終確認項目
- 最新版の申請書フォーマットを使用しているか
- 署名・捺印・日付が全ページにあるか
- 書類データ(PDF)は文字が潰れていないか
- 送信前にダブルチェック(支援機関・企業担当双方で確認)
- 電子申請の場合、データ容量と形式(PDF推奨)に注意
6. 不備ゼロで提出するコツと注意点
- 「担当者一人で完結させない」こと。
書類は必ずダブルチェック体制を作る。 - 入管だけでなくMWO・DMWルールも意識。
フィリピン人材を扱う場合は、Annex B~Dとの整合が必須。 - 過去案件のフォーマットを流用しない。
入管・MWOともに毎年細かく改訂されているため、最新版を使用。
7. まとめ:申請精度は“企業の信頼力”につながる
外国人材の受け入れは、単なる「書類仕事」ではありません。
申請書類の正確さとスピードは、採用力・信頼力・現場対応力のすべてに直結します。
自社の申請体制を整えることで、
「不備ゼロ・差し戻しゼロ・スムーズ承認」が実現できます。